「~ いただき (もらい)、~ ください (くれ)」

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(Sekky's Website、中部大学准教授。専門は英語辞書学,応用言語学)
「利用してもらう場合は気をつけてくれ」?
(たとえば店長が店員に対して「(お客さんに) 利用してもらう場合は (店員であるあなたが) 気をつけてくれ」と言うならよい。「利用する」のは「客」であるが「利用してもらう」のも「気をつける」のも店員であるからである)



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(http://www.ni.com/myni/dashboard/ja/)
「利用してもらうにはログインしてくれ」?


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(翻訳にまつわる話しー3選!! - 「伝わる翻訳」言葉のコンシェルジュ - 山田翻訳事務所)
「興味を持ってもらって会いに来てくれる人」?


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(ApSIC Xbench でワイルドカード検索 | つぼログ。 | 横浜で翻訳業務を行うシーブレインスタッフによる技術情報ブログ)
「読んでもらって応募してくれ」?
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「お読みいただき、ご応募ください」(読んでもらいます。そして応募してください。) (自分の行為 + 相手の行為)
「お読みいただき、ご応募いただきます」(読んでもらいます。そして応募してもらいます。) (自分の行為 + 自分の行為)
「お読みになり、ご応募ください」(読んでください。そして応募してください。) (相手の行為 + 相手の行為)
 
「~ いただき (もらい)、~ ください (くれ)」の組み合わせであっても、たとえば学校で先生が児童に書類を渡して「お父さんに名前を書いてもらって、明日持ってきてください」という指示を与えるのなら問題はない。なぜなら (書くのはお父さんであるが) 書いてもらうのは児童であり、持ってきてくれるのも児童であるからである。動作主は一貫して児童であって、ぶれがない。

しかし「説明をお読みいただき、要項に従ってご応募ください」の場合は、(読むのは応募者であるが) 読んでもらう (お読みいただく) のは募集者であり、応募してくれる (ご応募くださる) のは応募者である。動作主は、前半が募集者であり、後半が応募者であって、ぶれている。