(6/7)変数のロック、ロック解除
変数は、ロックしておけば変更からも削除からも守ることができます。ロックしておけば、意図せずに変数が変化してしまうことを防ぐことができます。
左のtimeリストおよびaltitudeリストをロックしておけば、問題の改変が防げます。 | |
基準となる函数f1をロックしておけば、意図しない変更を防ぐことができます。 |
ロックできない変数
- システム変数Ans
- stat.およびtvm.の各変数グループ
ロックされた変数についての重要な情報
- 変数をロックするときはLockコマンドを使います。
- ロックされた変数を変更または削除するときは、最初にその変数のロックを解除しなければなりません。
- ロックされた変数は、変数メニュー・リストのところにロック・アイコンが表示されます。
- ロック解除された変数にLockコマンドを適用すると、Redo/Undo履歴は消去されます。
ロックの例
Lock a,b,c |
Calculatorアプリケーションでa、b、cの各変数をロックする場合 |
Lock mystats. |
変数グループmystatsのメンバーすべてをロックする場合 |
UnLock func2 |
変数func2のロックを解除する場合 |
lm:=getLockInfo(var2) |
Calculatorアプリケーションでvar2の現在のロック・ステータスを取得してその値をlmに代入する場合 |
詳しくはReference Guideを見てください。
変数を更新する
計算結果で変数を更新する場合は、その計算結果を明示的に保存しなければなりません。
エントリー |
計算結果 |
備考 |
a := 2 |
2 |
|
a^3 |
8 |
計算結果はこのままでは変数aには保存されない。 |
a |
2 |
|
a := a^3 |
8 |
変数aは計算結果によって更新される。
|
a |
8 |
|
a^2 → a |
64 |
変数aは計算結果によって更新される。 |
a |
64 |
|
ラスト・アンサーを再利用する
Calculatorで何かを計算すると、そのたびに自動的に最後の計算結果がAnsという変数に保存されます。Ansを使えば、連続して計算することができます。
注:Ansをはじめとするシステム変数にはリンクしないでください。システム変数にリンクした場合は、その変数は更新できません。システム変数には、統計結果(Stat.RegEqn、Stat.dfError、Stat.Residなど)およびFinance Solver変数(tvm.n、tvm.pmt、tvm.fvなど)が含まれます。(訳註:Finance Solver変数って何?)
Ansの使用例として、幅1.7メートル×長さ4.2メートルの庭地の面積を計算してみます。そのあと、計算された面積の値を使って、1平方メートルあたりの収穫量を計算します。庭地全体でトータル147個のトマトが採れると仮定します。
- 面積を計算します。
- Calculatorのエントリー・ラインに1.7*4.2と入力し、Enterキーを押します。
- ハンドヘルド:Calculatorのエントリー・ラインに1.74.2と入力し、を押します。
- ラスト・アンサーを再利用して、1平方メートルあたりの収穫量を計算します。
- 147/ansと入力してEnterキーを押すと、1平方メートルあたりの収穫量が求まります。
- ハンドヘルド:147ansと入力してキーを押すと、1平方メートルあたりの収穫量が求まります。
- もう1つの例として、を計算してから2*log(45)を加算してみます。
- 3.76/(-7.9+sqrt(5))と入力し、Enterキーを押します。
- ハンドヘルド:3.76(7.9+sqrt(5))と入力し、を押します。
- ラスト・アンサーを再利用します。
- ans+2*log(45)と入力し、Enterキーを押します。
- ハンドヘルド:ans+2log(45)と入力し、を押します。
値を一時的に変数に代入する
値を一時的に変数に代入してその状態で1回だけ計算するときは、“|”(such that)演算子を使います。(訳註:“|”は「such that演算子」という名前のようである。Reference Guide では「constraint演算子」と呼ばれている)