十の音

アナウンサーでさえ「ジュッ」と発音する人は多く、今や定着した感はあるが、それをルビで目にすることは滅多にない。昔の新聞は総ルビであるが数字にはルビが振られていない。

ボーン・アイデンティティー(The Bourne Identity), チューリッヒからパリへ向かう車中, NHK BSシネマ, 2021年6月14日:

  • 納税は今はノウゼイ、昔はナフゼイ。発音はいずれもノーゼー。納得はナットク。フがツに変わる。

  • 入学は今はニュウガク、昔はニフガク。発音はいずれもニューガク。入声は今はニッショウ、昔はニッシヤウ。発音はいずれもニッショー。フがツに変わる。

  • 雑巾は今はゾウキン、昔はザフキン。発音はいずれもゾーキン。雑菌はザッキン、複雑はフクザツ。フがツに変わる。

  • 建立は今はコンリュウ、昔はコンリフ。発音はいずれもコンリュー。立春はリッシュン、県立はケンリツ。フがツに変わる。

  • 執念は今はシュウネン、昔はシフネン。発音はいずれもシューネン。執筆はシッピツ、執務はシツム。フがツに変わる。

  • 十時は今はジュウジ、昔はジフジ。発音はいずれもジュージ。フがツに変わるので十戒はジッカイ。ほかに十回、十階、十社、十本、十個、十進数、十把一絡げ、十方、十手、十干、十指、十中八九、十返舎一九などもジッ~。「常用漢字表(平成22年11月30日内閣告示)」の本表の備考欄には「ジュッ」が追加されたが、これを本当にジュッと読んでしまうと辞典の引けないおそれがある。ジュッと発音するのは一向に構わないが振り假名はジッでなければならない。