カンマが前になくても非制限用法

http://ww1.microchip.com/downloads/en/DeviceDoc/30009904S.pdf f:id:ti-nspire:20190219073354p:plain:w900

They are supported by MPLAB Harmony Software Framework which features various application demos, software libraries and Board Support Packages (BSP) for faster development.

このwhichはカンマが前に置かれていないが非制限用法(非限定用法、継続用法)の関係代名詞である。

  • 假にこのwhichが制限用法だとしたら、which以下の形容詞節で形容されるMPLAB Harmony Software Frameworkとは別のMPLAB Harmony Software Frameworkの存在が含意されるが、そのような別種のMPLAB Harmony Software Frameworkは存在しない。

  • MPLAB HarmonyはPIC32用に開発されたフレームワークであって、which以下はMPLAB Harmonyを詳しく説明しているに過ぎず、whichの前までで文は一往完結している。したがってwhich以下を省略しても元の文の大意は変わらない。

  • 假にこのwhichが制限用法だとしたら原文は下のようなことを意味し、その場合はwhich以下を省略することはできない。
    「MPLAB Harmony Software Frameworkは2種類以上が存在していて、そのうち、which以下の形容詞節で形容されるMPLAB Harmony Software Frameworkによってtheyがサポートされることは確かであるが、それとは別のMPLAB Harmony Software Frameworkによってtheyがサポートされるかどうかはわからない」

  • 非制限用法のwhichの前にカンマが置かれないことは全然珍しいことではなく、それが間違いというわけでもない。字引には「非制限用法の場合は通常はカンマを前に置く」程度のことしか書かれていない。

  • ここがおかしい日本人の英文法III, p.168に下の記述がある。

    ネイティブスピーカーは、非制限用法の関係節であってもカンマを省略することがあります。