ハザード、ヒゲ / 非公式訳

/hǽzɚd | -zəd/

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9.6 ハザード

非同期順序回路は、望ましくないグリッチが信号に生じないようにすることが大切です。設計者は、グリッチの原因として考えられることを把握し、回路の状態が変化してもグリッチの生じないようにしなければなりません。回路の構造と回路における伝播遅延とに起因するグリッチを「ハザード(ヒゲ)」と言います。2種類のハザードを図9.61に示します。

入力される変数値が変化しても一定の論理値を保っていてしかるべき信号が瞬間的に変化してしまう、それを「静的ハザード」と言います。図9.61aに示したように、静的ハザードの一方のタイプは、1に保たれるはずの信号が瞬間的に0に落ち込む場合です。もう一方のタイプは、0に保たれるはずの信号が瞬間的に1になって、その結果グリッチの生じる場合です。

設計どおりの動作として信号が1から0へ、または0から1へ変化するときにも、場合によってはまた別のタイプのハザードが生じます。図9.61bに示したように、信号が新しい論理値に安定するまでに短時間の振動が伴う場合は、「動的ハザード」が生じていると表現されます。